人権教育特別講義 レポート問題

 せっかくだし、レポートと講義の関連などについて若干、文章を書いてみます。

 繰り返せば、この講義においてレポートは、単位を修得したり落としたりするためのものでは
なく、自分の学習到達度をチェックしたり、深く考えてもらうためのきっかけです。「正しい答え」
や「間違った答え」がある性質のものではありません。

 一応、レポート課題設定と講義は以下のように関係しますが、今、大切なのは自分自身でし
っかり考えることなので、講義で取り上げたような言葉遣いや、話の筋道、とは関係なくても全
くかまいません。 何度も書きますが、私と人権に関する考え方が違っても点数評価には一切
影響しません。  


第一問 人権を擁護する実践において「共感」がどのような役割を果たすことが社会的に望ま
しいか、論じて下さい。
・・・・「共感は人権擁護のための探知装置・センサー」として非常に有効ではあるが、同時に
「あの人不潔よねー、あの人変わっているねー」といった、人権擁護にとってマイナスな方向に
も使える。この講義では、「共感」だけでなく、合理的・論理的な側面も強調してきましたよ
ね・・・。(密かに、このことからさらに拡大・発展・脱線?して、第三回で学習した、C.ギリガンの
「ケアの倫理」議論の限界についても考えて欲しいという意図もあったのですが・・・)。


第二問 人権擁護に関する認知・態度と、その行動との「不一致」を生じさせるものにはどのよ
うなものがあるか。また、それを一致させるために有効だと思われる方法についてあなたの考
えを論じて下さい。

・・・・「わかっちゃいるけどやめられない」についての講義でやった内容が念頭におかれていま
す。

 第三問 人権の擁護のために、福祉国家が果たすべき役目はいかなるものか、あなたの考
えを論じて下さい
・・・・・・・これは、7月4日の講義で講義する予定。 

第四問 あなた自身が社会の中で人権を擁護するために何をすることができるか、具体的に
論じて下さい。

 あと、講義で強調してきたのは、「教科書には載っていない、日常的な、自覚されていない人
権問題にも気づく」ということですよね。その他、「慣習的水準(または段階)」と「脱慣習的水準
(または段階)」や、「コミュニケーション的合理性」と「目的合理性」の区別など、今後、人権を
考える上で有益かもしれない---と、少なくとも私にはそう思えた---ことなども、いつか思い出
して頂ければと思います。

注意事項!
・文字数は自由。ただし、第三者を納得させることができるような論証がある分量にしておいて
下さい。
・ある程度は、仕方がありませんが、あまりにも現実離れした提案ではなく(例:「国民(!?)一
人一人が意識を高めるように「日々努力すべき」etc.)、ある程度は現実に即した提案になれ
ば、と思います。
・7月11日の講義では、青少年活動センターの方にボランティアについていろいろご説明を頂
きます。この「人権教育特別講義」にとって、「ボランティア」はとても大切な位置づけがなされて
います。したがいまして、この日の講義に出席なさった方は、いつもよりも、みなさん一人ひとり
の「出席した事実」が重視されることになります。

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